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【HSP体験談】フリーライターの実務紹介 ストレスを感じたポイント解説

HSP体験談】フリーライターの実務と体感したストレス

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HSP×フリーライター 実務とストレス

HSPのSemaphoです。
私は以前、フリーライターとしてゲームメディアに寄稿していました。
運営していたゲームブログがコアな記事を取り揃えていたこともあり、複数のメディアの編集部の方から声をかけて頂きました。
その辺りの詳しい事情は「HSPブロガーがフリーランス広報になるまでの全ステップ」という記事でも少し触れています。

 

www.hsp-tips.net


本稿では、HSPである私目線でフリーライターの実務におけるストレスや苦労した点を紹介します。
この記事を読めば、フリーライター希望のHSPの方々の気になる人間関係や仕事内容などが分かるのではないでしょうか。


まず、フリーライターの仕事はメディアの編集部から提案・依頼してもらった記事を書く場合と、自分から企画やドラフト(草稿、構成や趣旨などを記したドキュメント)を提案して、執筆する場合の大きく2つに分けられます。
記事の種類はメディアが取り扱う情報によって変わりますが、ウェブメディアではニュース、製品のレビュー、インプレッション、あるいは能力に応じて取材記事などがあります。


もしかすると、フリーライターはコラムやエッセイを書くというイメージが強い方もいらっしゃるかも知れませんが、媒体によってその点の比重は変わります。
私は速報性の高いウェブメディアへ寄稿していたことから、コラムよりもニュース記事やインプレッション、レビューを書く機会の方が圧倒的に多かったです。
また、紙媒体へ寄稿するというのは、ウェブメディアよりも難易度が高いと言えるでしょう(単純にウェブメディアの方がライター募集の数が多い)。
各メディアの読者層や形態によって、記事の種類は変わりますが、共通して言えることはコラムを書けるライターは一次情報を発信できる経験と文章力が必要です。


フリーライターは契約書を交わすことが多いですが、交わさないこともありました。これは、単発的な発注を受けたときなどが多いです。
メディアへ寄稿することになった場合、契約書の有無について確認してみるとよいでしょう。

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HSP目線で語るフリーライターの実務とストレス


まず、フリーライター希望のHSPの方にとって気になるのは実務やどんな雰囲気でコミュニケーションを編集部の方々と取るのか、ということではないでしょうか。


HSP系の情報サイトでは、HSPにおすすめの働き方として、フリーライターが紹介されていることがあります。
その中には「在宅ワークだとストレスが軽減されるから」、あるいは「対面ではないから気が楽になる」といった理由で在宅のフリーライターをおすすめしている情報もあります。
しかし、私はこれに対して、懐疑的です。
なぜなら、フリーライターの場合、少なくとも以下のような手順で編集部と連絡を取りながら記事を書く必要があります。


・記事の提案・プレゼン(または編集部からの依頼)


・ドラフトを提出


・ドラフトに関する確認(修正指示)への返信・対応


・原稿提出


・原稿の修正指示への対応


・原稿の再提出


こうした連絡をメールやチャットアプリでやり取りするのですが、他者とコミュニケーションが苦手な私は非常に強いストレスを感じました。
さらに、メールを送ってくる相手も人間ですので、忙しい時は修正指示の文面もキツいこともあります。
また、基本的には編集部のタイムスケジュールに合わせて、原稿を提出しなければならないので、期限までに出さなければいけない長文の原稿があれば、追い込まれるときもあります。
加えて、私は編集部の人によって修正が入る文章と修正が入らない文章の基準がバラバラなのもストレスに感じていました。編集担当の好みに合わせて記事を修正することや、そのために一往復の無駄な連絡が発生することにストレスを感じていました。
恐らく、人との関わり合いが苦手なHSPの方も多いことから、これらのコミュニケーションにかかる心理的なプレッシャーに共感して頂けるのではないでしょうか。


また、上述したようなHSP情報サイトに、「フリーランスは会社員と違って、精神的に何らかの余裕が生まれる」という旨の説明の非常に多いですが、フリーライターを本業にしようとすると、むしろ逆に余裕はなくなります。
また、私は現在、フリーランス広報ですが、同じく心理的にも、経済的にも余裕はありません。

フリーランスは基本的にクライアントがいなければ、仕事がありません。
そのため、プレゼンや営業が得意なフリーライターは非常にスムーズに稼ぐことができますが、多くのHSPの方の場合、営業などの積極的なコミュニケーションが苦手だからこそ、フリーライターという道に興味を持たれたのではないでしょうか。


つまり、HSPフリーランスという働き方を積極的に提案するということは、コミュニケーションにかかるストレスを全く考慮していない可能性があります。
私のように他者との接触が本当に苦手なHSPの場合、メールだろうと、対面だろうと負担となるストレスはあまり変わりません。
むしろ、性格の悪い相手は文章の方が腹が立つ場合もあります(なんで、句読点の一つもつけないんだ!みたいな)。


実際に私はフリーライターとして働く中で、上述したストレスに苦労しました。
念のため述べておくと、全てのメディアがなにかHSPに対してストレスをかけようとしているという訳ではありません。
とても、優しくしてくれる良い人たちもいますよ。

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HSPフリーライターとお金の話


また、フリーランス全般に言えることなのですが、報酬金額の交渉はとても大切です。
自分の仕事の対価を払ってもらうことが基本なのですが、正直なところ、こうした交渉は精神的に参ってしまうこともあります。
例えば、エビデンスが必要な取材記事を執筆した際、慎重に裏付けを取るように指示されたため、1週間ほど期間が必要でした。
この記事一本に費やした時間は25時間は超えています。
その後、この記事の報酬金額として5000円が提示されたのです。
これは本当に堪えました。当然、こちらも交渉して何とか金額を上げてもらいましたが、先方は不満アリといった感じでした。
残念ながら、これは私が不運だったのではなく、多くのフリーライターが経験することなのです。


ここまで読んで、フリーライターになるのをやめようかと考えた方もいらっしゃるかも知れません。
正直、「フリーライターになろうと思って、フリーライターになる」のはかなり厳しいと思います。
どういう意味かと言うと、フリーライターというのは何かしらの専門分野がある人が寄稿する記事に高い価値が付くのです。
あるいは、インフルエンサーのように、その人自身にファンが付いていると、記事がたくさん読まれます。
当然、そうした人々の方が報酬は高くなります。


悲しいことにフリーライターになる!という志や、コミュニケーションを頑張っても金額は増えません。

そこまでして、なぜ私がフリーライターをやっていたのかというと、文章を書くことが好きだったからです。


ブログを継続し、メディアから執筆の機会をもらった時、自分の文章が初めて他人に認められた、という手応えがありました。
たしかに、フリーライターをやっている時を思い返すと辛いことが真っ先に頭に浮かびますが、その経験に後悔は全くありません。
なぜなら、その経験があったからこそ私は現在、海外のスタートアップの広報として勤務しているからです。


客観的に評価できる経験を積む


私は世界的に有名なゲームメディアの日本版のメディアに寄稿させて頂ける機会をもらいましたが、当時はやはり仕事の緊張感とコミュニケーションのストレスに悩んでいました。
しかし、このメディアに寄稿していたことは、海外のクライアントにも評価してもらえる実績として活かせたのです。
全世界のゲーム開発スタジオが知っているブランドなので、信頼してもらえる実績を知らず知らずのうちに残していました。
非常に面白いのは、ブログをやっていなければ、メディアに寄稿する機会は頂けませんでした。
また、フリーライターになっていなければ、フリーランス広報にもなっていませんでした。
私が毎日文章を書いてきたことが、自分の想像していなかった形で報われたのです。
この体験から学ぶべきことは、やる前から結果を決めてはならない、ということです。
多くの人間は挑戦するか否か、という選択肢を目の前にした時、挑戦しない理由を探す方が得意です。
しかし、今の自分が知らない選択肢というのが、実はたくさんあって、それに気がついた時に予想していなかった景色が見れるようになるのではないでしょうか。


フリーライターをしていると、私より文章が上手なライターが非常に沢山いました。
しかし、私は昨日の自分よりも良い文章を書こうとする向上心が大切なのだと学びました。


フリーライター希望のHSPの方も実際に寄稿する際に同様のストレスを感じることがあるかもしれません。
もし、辛くてどうしようもない場合は辞めてもいいでしょう。
しかし、挑戦してもないのに、その恐怖が邪魔をして、目指すことを辞めてしまうのは勿体ないと思います。
いきなり、フリーライターに飛び込むのが怖い人は私と同じようにブログから始めてみるのも良いかもしれません。


本稿がHSPの方の参考になれば幸いです。